さて、前回からの続きですが、もう一記事過去を
振り返ってみますね。
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長らく続いた自民党政権のもとで、延々と行われてきた
「建設業界全体の談合」。
この体質にメスが入って以来、蜜月関係にあった、
官と民の関係性が崩壊し、公共工事の激減にともなって、
建設業界全体が未曾有の不況に陥りました。
2005年の状況に先立つ2003年前後にも、
金融機関による不良債権処理の本格化により、
建設業の倒産が相次いだこと(第一次建設不況)がありました。
減り続ける公共投資から、民間の建築受注へと
少しずつシフトすることで、
なんとか生き残りを図ってきた建設業界は、
再びの大打撃さらされることになります。
「官製談合を廃止せよ」との厳しい糾弾の声が続く中、
姉歯秀次・元一級建築士による耐震偽像問題などが重なり、
建設業界全体に対する国民の目はいっそう厳しさを増していきます。
その結果、中央、地方の有力建設会社の倒産が
後を絶たない状況となり、
建設業界全体の「クラッシュ」は加速度的に進んで行きました。
2008年の上期だけで2100社(当該年度の全産業倒産件数の4分の一)が倒産、
その余波は建設業だけでなく、不動産業界にも及びます。
大手不動産関係各社も相次いで民事再生法を申請し
「財閥系以外はどこが倒産しても不思議ではない」(不動産関係者)
と言われる状況にまで、環境は悪化していったのです。
●ゼネコン、サブゼネ、建設業のピラミッド構造が崩れる
業績不振に陥り、後がなくなった大手ゼネコンは、
一斉に地方へと進出を始めました。小泉純一郎政権による
構造改革のため、1990年代の半ばから政府系公共事業は
年ベースで1割近く減少しし続けていました。ただでさえ少なくなった
市場を、大手ゼネコンと地方のサブゼネとが奪い合うと、
どういったコトになるのか…。
地場ゼネコンやサブゼネコンは、大手ゼネコンに比べれば、
資金力に劣り、体力もそれほど豊かではありません。
大手ゼネコンと渡り合い、受注を獲得するためには、
利益を削ってでも仕事を取るという悪循環になっていき、
その結果、ダンピングが横行し、建設業者のあり方も強制的に
変化することになりました。
ゼネコン→サブゼネ→地方の建設会社→中小零細の専門業者へと、
見事なまでの「建設ヒエラルキー」に沿って流れてきた仕事。
その仕事自体が「大もと」からやってこなくなってしまったのです。
元請け先からやってきた仕事を何とかこなしていれば
「食うことができていた」中小、そして零細建設業者は、
一斉に「野に」放り出されることになりました。さあ、事態は深刻です。
仕事を求め、受注を求め、努力をしてみるものの…、
いかんせん、いままでの「仕事はお上(国、ゼネコン)からやってくるもの」といった
「ぬるま湯」体質に浸りきっていた、旧態依然の建設業者には厳しいコトばかりです。
さらに、インターネットの普及が、状況に拍車をかけます。
元請け業者を仲介せず「ネットによる直受け」で仕事を請け負う
会社が現れました。大元請け、元請け、中請けの「ピンハネ料」が必要ないため、
当然のごとく、受注価格は抑えられることになります。
さらに、公共工事だけでなく、人口のピラミッドにより支えられていた
「新築工事」も、出生率の低下により、激減していきました。
つづく・・
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